業界の裏話と言うタイトルを付けておりますが、そんな大層な話をつもりはありません。
ただ、この業界の常識でも一般の方にはあまり知られていないお話をします。
まず、新築時のシロアリの予防工事は、一昔前までは、住宅ローンを借り入れする時の要件の一つでありました。しかしながら、現在は、住まい後の住人の健康を一番に考える観点から、シロアリ予防工事は任意になっております。
ですから、新築時は必ずシロアリ工事をしてもらえると思っている方がいまだに結構います。ここでアドバイスですが、これから、住宅を建てる、買うという方は販売業者の方に参考までにシロアリ予防工事をされているか聞いてみて下さい。もしくは、どのようにしてシロアリから建物を守る手立てをされているのか質問してみて下さい。
新築時にシロアリ予防工事をするのであれば、薬剤に対する安全性と保証はどのように担保されているのか、返ってくる答えで業者の姿勢も見えてきますので是非参考にされて下さい。一生に何度もする買い物ではないので、これくらいの質問を業者にぶつけるのは失礼ではありません。
次に、すでにお住まいの方は、新築時住宅販売業者・工務店などからシロアリ工事の施工保証など期限切れの案内を受けて、再施工を済ました、もしくは、これからと言う方は一度シロアリ工事の保証内容をよく確認してみて下さい。
シロアリ業者が売りの一つにしている施工保証の内容を是非聞いてみて下さい。万一シロアリが施工後発生した時、薬剤散布とベイト工法のどちらの方が、保険が適用されやすいですかと。おそらく、ベイト工法と答えると思いますよ。施工後シロアリが発生して、被害を与える確率が断然に低いのですから。
後者の保険会社を通して発行する保証書は、発生した箇所のシロアリ駆除のみならず、被害のでた箇所の修復費用まで面倒を見てくれる内容になっております。
ここで注意してほしいのは、誰でも後者の保証内容がいいと知っていますので、シロアリ業者も保証内容を売りにするところが目立ちますが、現実は簡単に保険会社が修復費用をだしてくれることがほとんどないです。それは、シロアリ業者が保険会社に納める保険料と保険会社が支払う補償料のバランスが取れていない為です。圧倒的に、保険会社が支払う金額の方が多いです。理由は、単純に比較的小さな被害でも30万〜40万かかることが多いからです。
例えば、あなたの住まいの玄関枠の木製部分がシロアリの被害にあった場合、修復の順番として
以上の大まかではありますが、7番までの手順を踏むとします。ここで、7番の「クロスの張り替え」を不思議に思いませんか?玄関枠を変えるだけなのにクロスの張り替えまでと…。
ここが味噌で建築は、一つの見えている部材を取り換えるだけでも、必ずと言っていいほどその他の工事がついてきます。そうしなければ、目に見えている部分の部材が取れないないからです。もし、目に見えてない部分(柱や筋交い)までシロアリの被害を受けていたら、100万、それ以上かかるかもしれません。
このように、シロアリの被害を一旦だすと、修復にかかる費用は、とんでもなく増えて行く傾向にあります。保険会社は、シロアリ業者からいくら保険料を納めてもらっていても、割に合わないのです。割に合わないと言う事は、保険会社が一方的に損をしている関係にあります。
現実に当社はこの十年の間に保険を使用するような工事をしておりませんが、保険会社を3回変えております。当社から変えたのではなく、当社が加入していた保険会社がシロアリ保険から撤退すると言われた為です。毎回聞く理由として、一社あたり保険を申請する回数が少なくても全国規模なると、保険会社の負担が大きすぎると言う理由からです。
そして、保険を悪用するシロアリ業者もいたようで、さらに保険会社を圧迫し、撤退と言う道に追い込んだのも私たち業界の実態です。
シロアリ業者が売りの一つにしている施工保証の内容を是非聞いてみて下さい。
「万が一施工後にシロアリが発生した時、
薬剤散布とベイト工法のどちらの方が保険が適用されやすいですか」と。
おそらく、ベイト工法と答えると思います。ベイト工法の場合、施工後にシロアリが発生して被害を
与える確率が断然に低いですから。